富山―松本、後半アディショナルタイム3分、富山の碓井聖生選手⑨がこの日2点目を決め同点として喜ぶ=2024年12月7日、富山県総合運動公園陸上競技場、土井良典撮影

 苦節10シーズン、待ち続けたサポーターに悲願の瞬間が訪れた。サッカーJ3のカターレ富山(今季3位)は7日、ホームの県総合運動公園陸上競技場で来季のJ2昇格をかけたプレーオフ決勝に挑み、松本山雅FC(同4位)と2―2で引き分けた。富山は松本より今季順位が上のため、来季、2014年以来、11季ぶりにJ2へ復帰する。

 14年に始まったJ3。富山は翌15年にJ3へ降格し苦しんできた。昨季までの間、J3に降格したチームは富山を含めのべ17チームあるが、1季で戻ったのは、今季の大宮を含め2チームのみ。なかなかJ3に復帰できないさまは「J3沼」と呼ばれる。沼から最も長く抜けられなかったのが富山だった。

 7日の決戦は劇的な展開となった。前半、一瞬のすきを突かれ2失点。1万1847人の観客が集まったが、松本の大応援団もあり、重苦しい展開になった。しかし後半35分、碓井聖生選手が頭で合わせ1―2。攻め続け、後半アディショナルタイム3分、碓井選手が再び頭で劇的な同点ゴールを決めると、スタンドは総立ちで歓喜に沸いた。

 吉平翼主将によると、劣勢でも「1点取れば、必ず何かが起こる。信じ切ろう」「絶対下向くな」と声を掛け合っていたという。碓井選手は「苦手なヘディングだったが、うまくおさまってくれた。(興奮で)正直なんも覚えてない」と語った。

 チームはなかなか浮上できな…

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