SNSで「外国人差別反対」を訴える埼玉県鶴ケ島市の福島恵美(めぐみ)市議(44)=無所属=に対し、市議の肩書を使った発信の自粛を求めた市議会決議について、福島氏が5日、決議の撤回を議会に申し入れた。
申入書は、決議は差別を解消するという「正当な政治活動を阻害」し、名誉を毀損(きそん)するもので、抗議電話や殺害・爆破予告などの犯罪を「誘発しかねない」としている。福島氏は「差別はだめと言ったら口を封じられるのは間違っている。闘い続けたい」と述べた。
申入書を受け取った内野嘉広議長は「今の段階でのコメントは差し控えたい」と話した。
福島氏はクルド人などへの「外国人差別反対」を訴えている。市にはこれに抗議するメールや電話などが寄せられるようになり、7月下旬には福島氏の殺害予告、市庁舎の爆破予告も届いた。議場を利用した子ども向けイベントが中止に追い込まれるなど業務に支障が出たとして、市議会は8月4日、福島氏に対し、市議の肩書を使った意見発信の自粛を求める決議を賛成多数で可決した。