南アフリカの与党「アフリカ民族会議」(ANC)の集会で、壇上に現れたラマポーザ大統領=2024年5月25日、ヨハネスブルクのソウェト地区、今泉奏撮影

 トランプ米大統領は21日、ワシントンで南アフリカのラマポーザ大統領と会談します。南アで「白人が迫害されている」と主張するトランプ氏に、南ア側は反発しており、会談で両国が関係を修復できるかに注目が集まっています。「アパルトヘイト(人種隔離)政策」を乗り越え、グローバルサウスの一角として存在感を増す南アについて解説します。

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 ――南アには白人や黒人がどのような割合で暮らしているのか。

 人口約6200万人の8割を黒人が占め、白人は約8%に過ぎない。ほかに、混血(カラード)やアジア系の人たちも住んでいる。周辺国からの移民も多い。

 白人は主に、オランダなどから移住してきた「アフリカーナー」と、英国系がいる。アフリカーナーは17世紀から入植をはじめ、黒人が暮らしていた土地を「開拓」し、農業や畜産を生活の中心としてきた。

 公用語は、主要な九つの民族語に加え、英語、アフリカーナーが話すアフリカーンス語、手話の12言語がある。多様な人種や民族が暮らしていることから、「虹の国」とも呼ばれる。

アパルトヘイト政策、推し進めたアフリカーナー政権

 ――歴史を振り返ると、白人と黒人はどのような関係だったのか。

 19世紀末には、英国とアフ…

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