2021年に国軍が全権を掌握した軍事クーデターから、2月1日で4年。ミャンマーでは国軍と武装勢力の内戦が激化している。内戦はなぜ起き、なぜ終わらないのか。
Q ミャンマー内戦の経緯は?
A 1948年の独立後からミャンマーは内戦状態に陥った。ミャンマーは、135の民族がいるとされる多民族国家だ。多数派のビルマ族中心の政府および国軍に対し、複数の少数民族武装勢力が「自治拡大」を求めて蜂起した。少数民族の勢力は、カレン族のカレン民族同盟(KNU)やカチン族のカチン独立機構(KIO)など、約20ある。
2011年の民政移管後、全国的な停戦が模索され、15年に「全国停戦協定(NCA)」の締結に至った。ただ、その時点で協定に署名した勢力は八つ。軍事力の弱い勢力が多かったほか、地域的な偏りもあり、効果は限定的だった。
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Q 21年のクーデターの影響は?
A 国軍は、国軍系政党が大敗した20年の総選挙で「不正があった」と主張し、クーデターで全権を握った。だが民主化を求める市民が「国民防衛隊(PDF)」という武装勢力を各地で立ち上げた。武器を持つのも初めてという若者たちが少数民族武装勢力から軍事訓練を受け、国軍に武力闘争を挑み始めた。ミャンマーの内戦は新局面に入った。
23年秋、北東部シャン州で三つの少数民族武装勢力が国軍を一斉攻撃したのを節目に、戦線は拡大の一途をたどっている。英シンクタンク・国際戦略研究所(IISS)はクーデター後の4年弱で、全国で武力衝突が約2万8千件起きたと集計している。
Q 内戦長期化の影響は?
A 国軍は戦線の広がりに対…