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【2001年1月23日朝刊スポーツ面】

 史上最長身で最重量の巨漢横綱、曙がとうとう退いた。八年にわたって守り抜いた角界の頂点。この間、一人横綱で頑張った時期もあった。三場所連続休場や十八場所も賜杯(しはい)から遠ざかった日々も。昨年、二度の優勝と七年ぶりの年間最多勝を勝ち取り、立ち直ったかに見えたが、けがには勝てなかった。年寄名跡は持っていないが、横綱にはしこ名のまま五年間、親方として残れる特権がある。東関部屋の部屋付き「曙親方」として後進の指導にあたる。

引退会見で語った「心に残る取り組み」

 曙は、数々の熱戦を繰り広げた東京・国技館で記者会見し、胸の内を語った。一問一答は次の通り。

 ――引退を決めたのはいつか。

 「初場所の休場を決めてから、悩んで悩んで考えた。それで十二日目(十八日)に『引退したい』と親方に伝えた」

 ――再起する気力がなくなったということか。

 「それが一番大きい。谷の下からもう一度登りきる気力がなくなった」

 ――ひざの痛みはひどいのか。

 「昨年は一年間ずっと痛みと闘ってきた。でも今は、相撲を取らなくても痛むようになってしまった」

 ――昨年の九州場所で優勝して、完全復活かと思われたが。

 「名古屋場所での優勝がたま…

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