福井工業大の学生らが22日、福井県坂井市のホリタ文具春江店で、生成AI(人工知能)を使って顧客にぴったりの文房具を診断する実証実験を始めた。
同大のAI&IoTセンターとホリタ(福井市)が4年前から共同で研究に取り組み、顧客対応の向上を目指している。店に、ウェブカメラを取り付けたタッチスクリーンのディスプレーを設置。客が「オフィス」「学校」「趣味」など利用場面を選ぶと、カメラで年齢や性別を推定し、書き心地のよいボールペンや、スマートフォンと連動する地球儀などおすすめ商品と理由を示し、音声で説明する。
文房具は、ホリタ側が事前に選んだ約80種類が登録されている。診断を試した同県あわら市の保育士伊藤友基さん(33)は「いろんな文房具が分かって面白い」と話した。
センター長の芥子育雄教授の研究室の学生らがシステム開発を担当。中心となった4年の村西晃徳さん(21)は「文房具と生成AIの組み合わせは珍しいと思う。これで新しい商品を発見してもらえれば」。ホリタの堀田敏史社長(41)は「顧客にワクワク感を提供するとともに、診断データを分析し、売り場づくりやオリジナル商品の開発につなげたい」と話した。実験は来年1月中旬まで。