インターネット上のウェブサイトなどには、様々な広告があふれています。興味をそそられる広告もあれば、興味がわかないものも。時には不適切なものが表示されたり、広告主が望んでいないサイトに広告が掲載されたりすることもあります。そもそもネット広告は、どのような仕組みで掲載されているのでしょうか。デジタルマーケティングに詳しい佐藤和明・茨城キリスト教大学教授に聞きました。
複雑化・効率化する出稿の流れ
――ネット広告には、どんな特徴がありますか。
「ユーザーの年代や性別、住む地域、興味・関心などを、閲覧履歴などから分析した上で出稿できることです。どのぐらい表示されたか・クリックされたかなどの効果も詳しく測定でき、関心を引く仕掛けもできます。1クリックあたり数円など低予算で出稿できることもあって重宝されており、今やネットの総広告費は、テレビ・新聞・雑誌・ラジオの4大メディアの総広告費を上回っています」
――どのような流れで掲載されるのですか。
「黎明(れいめい)期は、広告主や広告会社がウェブサイトを選んで直接、広告を出稿していました。これを『純広告』と呼びます。掲載期間を決めて料金を支払います」
「当時は、広告枠のサイズに合わせた画像を貼りつけ、サイト管理者が手動で貼り替えていました。その後、サイトと広告のサーバーを分ける運用になり、広告は広告主側が管理して、掲載しながらの修正なども簡単にできるようになりました」
――それからどう変わりましたか。
「純広告は現在もありますが、広告掲載までの流れは複雑化しています」
「広告の入稿と配信、効果測…