世界各地で戦争・紛争が続く中、迷彩柄などミリタリー風の服をまとうことが「適切か」と問う声が上がっている。定番アイテムさえ議論の的となる不穏な空気がファッション界を覆っている。

 「この政治情勢のなか、迷彩柄を着てもいいのでしょうか」

 6月、米ニューヨーク・タイムズに、こんな見出しの記事が掲載された。ファッション担当、ヴァネッサ・フリードマン記者の名物コラム「ヴァネッサに聞け」に寄せられた読者からの問いかけだった。

伊ブランド「平和な時はミリタリーと言えたが今は・・・」

 フリードマン記者は、5年前に読者から同様の質問があった際には「明らかにファッションアイテムで、軍服に見えない」形ならば、迷彩を着ることは問題ないと回答していたという。だが、軍事パレードのために首都に何千人もの兵士が集められ、移民税関捜査局(ICE)が移民一斉摘発を行っている「混沌とした状況」において考えは変わったと説明。たとえ、単なるY2K(2000年代)ファッションのリバイバルや、戦争反対の意思表示として着たとしても、周りからは「挑発」とみられ、「状況をわきまえず、自らを危険にさらす可能性がある」と明言した。

 迷彩をデザインに取り入れるブランドの表現にも、変化がみられるようになっている。

 6月にイタリア・フィレンツ…

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