微細藻類を増殖させる独自技術でカキの大型化に取り組む小倉淳・長浜バイオ大教授=滋賀県長浜市

 長浜バイオ大(滋賀県長浜市)発のスタートアップ企業が、カキのえさとなる微細藻類(植物プランクトン)を人工的に大量増殖させ、カキを短期間に大きなサイズに肥育する研究に取り組んでいる。海外で好まれる大型の生食用カキの増産につなげ、輸出増加をめざす。

 スタートアップ企業は2019年に設立した「ノベルジェン」(代表取締役・小倉淳長浜バイオ大教授)。この研究は、昨年12月、革新的な研究開発に取り組む企業を支援する農林水産省の「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択された。事業期間は2023~27年度で、補助額は12億4700万円。

 微細藻類は光合成をする際の二酸化炭素(CO2)の吸収能力が非常に高い。小倉教授は20年ほど前から、地球温暖化などの解決に向け、CO2を吸収・固定化する微細藻類の研究に取り組んできた。

実用化に向け、大規模肥育施設を整備

 同社は、この微細藻類を陸上…

共有
Exit mobile version