おひめさまになりたいなあ。そんなあこがれを抱いたことはありませんか。まりもその一人です。「のはらひめ~おひめさま城のひみつ~」(徳間書店)で、まりはどんなことをするのでしょうか。やわらかい色合いの絵も美しい一冊です。作者のなかがわちひろさんに作品にこめた思いを聞きました。
小さいころ、古今東西のお姫様の本に夢中になりました。読み終わると、ふ~っとため息。お姫様って大変だわと思いました。だれよりもきれいで、踊りが上手で、常に注目されて。「シンデレラ」なんてガラスの靴のハイヒールで階段を駆け下りるんです。どれだけアスリートか。
あこがれつつ、なにか違和感を覚えました。王子様に助けられるハッピーエンドにも違和感。それに、西洋のお姫様は金髪青い目で華やかだけれど、日本のお姫様はのっぺりして地味。がっかりしました。
「のはらひめ~おひめさま城のひみつ~」
徳間書店、1995年、累計4万5千部。 おひめさまになりたいと思っているまりのもとへ、おひめさま城から迎えが来ました。お城へ行くと、おひめさまになるための大変な勉強が待っていました。笑い方も言葉づかいも食べ方も。さて、いっぱい学んだまりは……。
お姫様でない人生を歩み、ジェンダーを考えながら大人になった私に、娘が生まれました。娘はショートヘアの活発な子だったのですが、5歳のころ、ピンクに目覚めて。何でもピンクじゃなきゃイヤ。冷や麦に入っているピンクの数本をお兄ちゃんが食べたら大泣きするぐらいに。
彼女を連れてディズニーラン…