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都市部の公営墓地。墓の「無縁化」にどう対処するべきか、悩みを抱える自治体は多い(本文と写真は関係ありません)

 子どもがおらず、墓を継いでくれる人がいない。

 故人と関係が悪くもうかかわりたくない。 管理費の支払いが負担だ――。

 弔いに関する意識の変化などを背景に、受け継ぐ人がおらず「無縁」と化していく「代々の墓」。放置されれば隣接区画への悪影響も懸念される。どうすれば無縁化を防げるのか。

  • 増える無縁墓…でも手を出せない 「縁故者」を把握の自治体は12%

 瀬戸大橋や淡路島まで見渡せる丘陵地にある神戸市立鵯越(ひよどりごえ)墓園(同市北区)。208ヘクタールの広大な敷地に、5万を超えるお墓が並ぶ。

 源氏と平氏の一ノ谷の戦いで、源義経が崖を下って奇襲をしたという「逆落とし」の場所ともされる鵯越。入り組んだ斜面は険しい。

 その一画で、神戸市が整備を進めているのは、「期限付(つき)墓地」だ。

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神戸市が、市立鵯越墓園で整備している15年間の「期限付き」エリア。8月から、申し込みを受け付け始めた=2025年7月16日、神戸市北区、山田史比古撮影

 市立墓園が4カ所ある同市で「期限付」は初の試み。255区画あり、8日から30区画で使用者の募集を始めた。9月12日まで受け付ける。

 一般的な公営墓地は、その区画の「使用」を申請して許可を得たら墓石などを建て、代が替わっても「承継」して代々受け継いでいくことで、期限なく、半ば永続的に使うことが想定されてきた。

 では、「期限付」はどういう仕組みなのか。

15年後、遺骨は隣接の合葬墓へ

 区画に墓石を建てるなどして…

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