65年前の伊勢湾台風に見舞われた直後の名古屋市内を撮ったとみられる8ミリフィルムが見つかった。愛知県東浦町の会社役員、前田聡さん(84)から大府市歴史民俗資料館へ寄贈されたフィルムの一部に含まれていた。倒木、壊れた家、泥まみれの道路を行き交う人々が映っている。担当学芸員は「映っている当時の状況がわかれば伊勢湾台風の新たな史料になるのではないか」と話している。
このフィルムは、前田さんの父親(1982年に73歳で死亡)が撮影した。半世紀前まで前田さん一家は、現在の名古屋市中川区富田町千音寺に住んでいた。父親は愛用の8ミリカメラで撮影によく出かけており、映写機を使った観賞会も開いていたという。
昨年、昭和の家電を収集している同館が収蔵品として古い映写機を募っていると知り、自宅に残されていた23本のフィルムとともに寄贈した。同館がこのうち3本をデジタル化したところ、一部に伊勢湾台風後の様子が記録されていたという。
発見されたフィルムに収められていた伊勢湾台風の被害の動画は記事後半にあります。
「水害のおそれない場所に」 台風後に移住
映像の大半は名古屋市の千音寺周辺の風景や長野県内の温泉地、旧国鉄関西線を走る蒸気機関車などの白黒映像だったが、その途中、「伊勢湾台風 十五号 昭和三十四年九月」との文字が現れる。
その前後、5分ほど被災地の…