大腸がんが見つかる約3カ月前の佐藤宏さん(左)と長女。営んでいた本屋を閉店したところだった=2019年1月、東京都杉並区、家族提供

 がん患者が亡くなるまでの1カ月を「苦痛が少なく過ごせた」と感じた家族は、4割に満たない――。国立がん研究センターが、がん患者の家族たちを調査したところ、そんな現実が明らかになった。ある遺族は、最後の1カ月での後悔を口にする。

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 緩和ケア病棟に移った父は、翌日に亡くなった。東京都杉並区の元書店主、佐藤宏さん(当時65)の最期を思い返し、長女(38)は「痛みに寄り添えたのか、今でもわからない」とつぶやく。

 佐藤さんは、2019年に大腸がんのステージ3と診断された。後に、肝臓などへの転移がわかった。通院で抗がん剤治療を続けたが、22年2月に胃に穴が開き、激痛に襲われて入院した。翌月、病院で亡くなった。

 最後の1カ月。LINEを打…

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