Smiley face
写真・図版
さいたま市の返礼品には、カセットコンロのほかにベビーカーやゴルフバッグなどもある

 さいたま市のふるさと納税による寄付金の受け入れ額が今年度、過去最高を記録し、初の10億円台に達する見通しになった。肉や魚介類、果物など人気の返礼品で多くの寄付を集めてきた地方の市町村に比べると、首都圏の自治体の注目度は総じて低い。だが、さいたま市の場合は近年、実用品を中心に返礼品を増やしてきた効果が出ているようだ。

 市財政課によると、ふるさと納税による寄付金は2019年度に寄付者744人、総額約2370万円だったが、23年度には約1万6千人、約6億3700万円と急増。今年度は11月末時点で約1万2千人、約6億3900万円と総額で23年度を上回り、年度内には初の10億円台に達する見通しだ。

 担当者は「22年度以降、返礼品数を増やした効果が出ているのではないか」と分析する。20年度に89だった返礼品を22年度には325と大幅に増やし、今年度は11月末時点で1159とさらに充実させた。

 返礼品で人気が高いのは、市内に拠点がある岩谷産業のカセットガス関連商品だという。キャンプ用品としての需要に加え、防災意識の高まりが影響していると、市はみている。

 しかし、多くのさいたま市民が市外の市町村に寄付をしているため、市のふるさと納税の収支は依然としてマイナスであることに変わりはない。

 市外への寄付で失われた市民…

共有