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佐藤史門さんが30分ほどで仕上げたスワンの像。ススキノのネオンで輝いていた=2025年2月4日夜、札幌市中央区、原知恵子撮影
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 冬の北海道の一大イベント「さっぽろ雪まつり」(11日まで)は、雪像だけでなく、精巧な氷像も見どころの一つだ。道内最大の歓楽街・ススキノには約60基が並び、夜は街のネオンで幻想的に浮かび上がる。その多くを手がけるのは、料理人たちだ。

 「ウィィィィン……」

 開幕初日の午後7時すぎ。歩行者天国のあちこちから、氷を削るチェーンソーの音が響いた。

 氷のしぶきを浴びながら、一切の迷いなく次の造形へ。ブロック状だった氷は、ざっと15分から30分で「サケ」や「スワン」へと姿を変えていく。その手際の鮮やかさと出来ばえに、群衆からは拍手が上がった。

 会場の氷像を支えるのが、NPO法人「日本氷彫刻会」(総本部・旭川市)のメンバーらだ。北海道地方本部の会長で、自身も札幌パークホテルの料理人である古屋光行さん(67)によると、8割ほどの「本職」が料理人で、有名ホテルの勤務者も多い。

 料理と氷彫刻の間にはどんな関わりがあるのか。

 日本氷彫刻会によると、日本における先駆者には、財閥・三井家で腕を振るった岩堀房吉氏や「天皇の料理番」秋山徳蔵氏がいる。また、1960年には、初代会長の小林秀江氏が前身組織を設立。全国の料理長に呼びかけ、氷彫刻を広めていった。こうした経緯から、氷彫刻は食文化との結びつきが強く、寒冷地以外でも技能として取り組んでいる料理人が多い。

 たしかに、振り返ってみれば、ホテルのパーティーなどの華やかな場で氷彫刻を見かけた記憶は、記者にもある。日本の氷彫刻の技術は海外でも高い評価を得ているという。

はかない「氷の美」 だからこそ…

 像にする氷ブロック1個の重…

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