未知の感染症の発生を素早く見つけるため、せきやのどの痛みがある患者数などを指定された医療機関から国に報告することを義務づける制度が始まり、22日に初めて患者数が公表された。次のパンデミック(感染症の大流行)に備えて原因となる病原体の分析を進め、対策につなげる狙いだ。
報告の対象は、せき、のどの痛み、呼吸困難、鼻水、鼻づまりのいずれかが一つ以上あり、発症から10日以内に急に症状が表れて、医師が感染症を疑う患者。せきやのどの痛みなどの症状を起こす感染症は「急性呼吸器感染症(ARI)」と呼ばれ、インフルエンザや新型コロナウイルス、RSウイルスなど、様々な病原体によって引き起こされる。
インフルエンザや新型コロナウイルスといったほかの5類感染症なども含む形で患者数を集計する。全国約3千の定点医療機関から報告されることとなった。
報告されるのは1週間の年代ごとの患者数。一部の医療機関からは患者の検体を提供してもらい、原因となる病原体も詳しく調べる。
国立健康危機管理研究機構が…