酒粕(かす)を捨てるなんてもったいない。徳島県三好市の飲食店経営者らが、地元の老舗酒蔵「三芳菊酒造」の酒粕を使ったアイス「三好恵」を開発した。「地球にも体にも優しいプチぜいたくなスイーツ」と売り出し中だ。
三好恵はプレーン、チョコチップ、ラムレーズンの3種類。アルコール分2%と大人向け。お酒の香りとなめらかな口当たりが特徴だ。
酒粕は発酵食品で腸内環境の改善に効果があるとされ、たんぱく質や食物繊維、ビタミンなども含まれるという。
にもかかわらず、国内では年間1800トンが廃棄されている。三芳菊酒造でも年間約15トンの酒粕が出て、半分ほどを廃棄しているという。酒どころ三好の名産品を活用して食品ロスも減らせると着目した。
パッケージは美意識が高く、自分のためにお金を使える20代後半~30代の働く女性をイメージ。甘さ控えめで低カロリーなので1日働いた後、罪悪感なく食べられるという思いを込めた。
カフェ「cul cul」(三好市三野町)店主の藤田梢さん(47)は「自分の体にもいいし、社会にもいいアイス。少しぜいたくな自分へのご褒美に選んで欲しい」と話す。
酒粕の味や香りは酒の種類や醸造した時期で変わるといい、三好恵の味も変化する。均一的な味が当たり前のアイスでは珍しい。「三好恵は様々な表情を見せる。今回はどんな味がするかなと楽しんで」と藤田さん。
価格は6個4千円(送料込み)から。販売サイト(https://clandmark.base.shop/)で購入できる。問い合わせはcul cul(090・2646・2804)。(杉田基)