（15日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 大社5―4創成館）
大社は2点を追う八回表1死一、二塁、馬庭優太投手（3年）の内野ゴロが相手の失策を誘い、1点差。打席の園山純正選手（同）への石飛文太監督のサインはスクイズ。
「疲れている馬庭が、打撃でも頑張っている。自分もつなごう」
バントは「チームで一番」という自負があり、前日も約50球のバント練習をした。ひざをついてバットに当てて転がし、狙いどおり三塁走者の高橋蒼空（そら）選手（同）を迎え入れ、同点に追いついた。
タイブレークとなった十回表にも、1点を勝ち越した後、1死二、三塁で園山選手に打席が回って来た。サインは再びスクイズ。「絶対決めてくれよ」という監督の意思が伝わった。
「もう1点取れば、味方は守り切れる」。球の勢いを殺し、三塁側へと転がした。三塁走者が生還し、決勝点となった。
この日は、チームの得点パターンではなかった。俊足で打率も高い1、2番が封じられた。リードオフマンの藤原佑選手（同）は盗塁を一つ決めたが、「自分としては納得がいかない。チームメートに助けてもらった。次の試合は自分が仲間を助けてチームを勝たせたい」。
馬庭投手は「六回に2点を勝ち越されて、半ば諦めている自分がいた。仲間がまだやれると励ましてくれ、ファインプレーで救ってくれた。自分も後半、ギアを入れた」と振り返った。
1回戦の報徳学園戦で3打席連続三振だった高橋翔和（とわ）選手（同）も、五回表に右前へ同点適時打を放つなど勝利に貢献した。
3回戦は西東京代表の早稲田実との対決。石原勇翔（はやと）主将（同）は「自分たちのプレーがつながれば、絶対にいい勝負ができると思う」と自信をのぞかせた。
