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 かつて東日本中心に多くあった公立の男女別学高校は共学化が進み、今では主に残るのは埼玉、群馬、栃木の3県だけになった。そんな埼玉県で、共学化を求める勧告を受けた議論が大詰めを迎えている。約20年前は「存続」と結論づけたが、男女共同参画が進む中で再度対応を迫られた県教育委員会は、8月末までに結論を出す。

2度目の勧告、相次ぐ賛否の意見表明

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共学化、賛否両派の言い分

 発端は2023年8月30日、埼玉県の第三者機関「男女共同参画苦情処理委員」が、県内に計12校ある男女別学校を早期に共学化するよう県教委に迫る勧告だった。同様の勧告は02年に続いて2度目だが、県内では賛否の意見表明が相次ぐ。

 元高校教諭らの市民グループ「共学ネット・さいたま」は今年4月に記者会見し、「入学願書の性別記載がなくなった今も、公立高校が性別による募集をするのは合理的な理由がない」と説明。「社会的なリーダーになるためには、高校生活の中で、男女の格差を体験する機会を積み重ねて調整する力が必要だ」と強調する。トランスジェンダーの生徒が、将来、履歴書の学校名で性的マイノリティーであることが明かされてしまう懸念も指摘する。

 これに対し、共学化に反対する浦和、浦和第一女子、春日部、川越女子の別学4校の同窓会長らも直後に会見し、「公立の別学校も選択肢の一つとすべきだ」と反論した。ジェンダーによって傷ついた体験を抱え、安心できる環境を求めて別学を選んだ人もいることや「女子校の方が女子のリーダーを育てやすい」「偏差値が高いのは結果であり、学校の特色で選ばれている」などと指摘し、別学の維持を訴えた。

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埼玉県立高校の別学の維持を求めて記者会見した(左から)春日部、浦和、浦和第一女子、川越女子の同窓会会長=2024年4月18日、埼玉県庁、杉原里美撮影

 7月下旬には、別学12校と共学2校の高校生約50人が県庁を訪れ、別学の維持を求める約3万4千人分の署名や意見交換の要望書を提出した。女子校2年の生徒(16)は「対話を重ねることで私たちの考え方を知ってもらい、共学化を止めたい」と話した。

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