高齢者や通院中の患者らが安心して旅行できる、看護・介護付き旅行サービスを立ち上げた。「今は医療の進歩や高齢化で、病と長くおつきあいしていく時代。病気や障害のある方が、好きなことをあきらめる必要はない」と坂野(ばんの)恵里さん(44)は話す。
現役の泌尿器科医だ。サービスを立ち上げたきっかけは、これまでの医師としての経験だった。
患者を診察していると、たびたび旅行やお墓参りといった外出の相談をされることがある。ただ実際には、許可を出しても外出しない人が多かった。そのまま病状が悪化し、「あの時に行っておけば」と後悔する患者もいた。
「医療従事者でも大変」
なぜ行かないんだろう。当時…