Smiley face
写真・図版
井田大介「シノプテス」(2023年、部分)の展示
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 かつて大自然に抱いた崇高さは今、どこに感じるのか。そんな意識を現代美術から探る「来たる世界2075 テクノロジーと崇高」展が16日まで、東京・神宮前のGYRE GALLERYで開催中だ。

 イタリア出身のアンドレア・サモリーは遺伝子操作などを背景に、身体の断片と抽象形を組み合わせた異形の「キメラ」をヌメヌメとした質感の立体で表現。牧田愛は都市風景の画像をAIによって抽象化し、それをさらに絵画化している。

 井田大介はギリシャ神話の100の目を持つ巨人と監視社会を重ね、生々しい身体を備えた立体「シノプテス」を見せる(写真)。ふたつの身体が分解、再接合された怪物の複数の目は、鑑賞者の動きなどに応じてまばたきし、都市やネット空間の「監視」を表現。不気味な姿は、技術の暴走も思わせる。

共有