11月15日、みずほフィナンシャルグループ(FG)の社内ネットワークで、社員向けに投稿された動画が一部で波紋を広げた。それは木原正裕社長が、中間決算を説明した際に楽天グループとの協業について語った場面だった。

 「『みずほ楽天カード』。みなさん、ぜひ入って下さい。冗談ではないからね。本当ですよ。素晴らしいカードだから、本当にみんな入って下さい」

 その2日前、みずほFGは楽天カードと資本業務提携し、楽天カードの株式の15%弱を約1600億円で買い受けると発表。翌日には東京・丸の内のみずほFG本社で楽天Gの三木谷浩史社長も登壇させ、その場で打ち出したのが「みずほ楽天カード」だった。

みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長(右)と楽天グループの三木谷浩史社長=みずほFG提供

 社員向け動画の中で、木原氏は「みずほの人が入らないで『入って』と言えないのでお願いします」などと念押しした。

 「トップとして本腰を入れているという思いが伝わる」(本社中堅)と好意的に受け止めた声もある一方で、唐突な呼びかけに、一部の社員は困惑した。

 「お金の負担はないが、『自爆営業』みたいだ」(若手)、「ノルマじゃないが、発行したかを上司が部下をチェックしかねない」(中堅)。他社のカード会社幹部は「うちではそんな指示を聞いたことがない」と漏らす。

「気合」は「焦り」の裏返しか

 かつて、楽天モバイルの契約…

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