Smiley face
写真・図版
佐竹功年さん=滝沢美穂子撮影

 (19日、第107回全国高校野球選手権大会準々決勝 山梨学院11―4京都国際)

「ミスター社会人野球」が語る

 甲子園で高校野球を見るのは27年ぶり2回目です。

 中学3年の夏休み、父に連れられ、地元の瀬戸内海に浮かぶ香川県の小豆島を船で出て、甲子園に来ました。2回戦の宇部商(山口)―豊田大谷(東愛知)戦。延長十五回、無死満塁の場面で宇部商の投手が投げようとした時でした。隣にいた父が「あっ」と声を出した次の瞬間、サヨナラボークで試合が終わりました。

 甲子園へのあこがれを強くしたと同時に、野球の怖さを知りました。

 幼少のころから体が小さく、「前にならえ」では、いつも一番前で両手を腰にあてていました。体格で劣る自分が同級生に勝つにはどうしたらいいか。かけっこや球技、鬼ごっこでもそんなことを考えていました。

 進学した地元の公立、土庄高でも強豪私学を倒すための知恵をみんなで絞り出した。甲子園は夢に終わったけれど、3年春の県大会で優勝し、成功体験を得られました。身長170センチに満たない僕が早大、トヨタ自動車と進み、40歳までプレーできたのは、そうやって考え続けてきたからです。

プロめざすより、いつしか…

 山梨学院の菰田陽生投手は立…

共有