勤務先の小学校で給食の食材費を切り詰めて現金を横領したとして、福島県教育委員会は13日、同県郡山市立小学校の学校栄養職員の女性(42)を民間の解雇に当たる分限免職にしたと発表した。
県教委によると、女性は給食の献立作りから調理までを担っていた同市の小学校で、2年間にわたって、給食会計の口座から約798万円を引き出して横領していた。
1年目の不正では、1食あたり310円とする給食の費用を296円まで削り、2年目は330円とするべきところを280円に抑えていた。一例として、鶏もも肉を使うべき料理で、より安価なむね肉を使っていたという。
県教委によると、当時、児童や教員らから給食についてのクレームなどはなかった。食材を納入する業者に対する未払い金もあったといい、女性の後任が未払い金の存在を上司に報告して不正が判明した。
県教委の調査に、女性は旅行や飲食、飼い犬の飼育に出費がかさんでいたと説明。「クレジットカードの支払いができなくなると思った。色々な人に迷惑をかけて申し訳ない気持ちでいっぱい」などと話しているという。
会計を点検するなどの指導監督が適正でなかったとして、当時の勤務校の50代の男性校長を減給(10分の1)3カ月、50代の男性教頭を同1カ月の処分とした。
県教委によると、女性は2018年9月から単年度任用の栄養職員として4校に勤務したが、どの時期に不正をしたかについて、県教委は「同時に処分された校長と教頭が特定されるため公表できない」としている。
また、県教委は同日、超過勤務手当の算出資料を改ざんし、同手当を10カ月間で計約46万円を水増しして得ていたとして、同県浅川町の町立中学校の主事の事務職員の男性(31)を懲戒免職にした。また、自家用車で歩行者をはねて死亡させた県立高校の40代の男性教諭を減給(10分の1)3カ月とした。(波多野陽)