廃炉になった高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の敷地内に、活断層が通っている可能性を示す地図を国土交通省国土地理院が29日、公表した。活断層の専門家が昨年、学会で可能性を指摘していたが、ほかの専門家によっても認められた形だ。現時点では推定で確実ではないものの、敷地では試験研究炉の新設も計画されており、詳細な調査を迫られる可能性がある。
国土地理院がこの日公表したのは、全国8カ所の活断層図で、地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/)からも見ることができる。このうち福井県南部の「今庄」で、もんじゅの敷地を通る「推定活断層」が記された。この区域の活断層図の公表は初めてで、日本原子力発電敦賀原発の敷地内を通る活断層、浦底断層なども掲載された。
推定活断層は「地形的な特徴により、活断層の存在が推定されるが、現時点では明確に特定できないもの」とされる。もんじゅ付近で認定されたのは、北東―南西方向にもんじゅの敷地を横切る長さ約1キロで、位置は「やや不明確」として破線で示された。
もんじゅの直下を活断層が通っている可能性は昨年、中田高・広島大名誉教授らが、学会発表で指摘していた。今回は中田氏を含む5人の専門家が判定にかかわった。
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活断層図の解説書によると…