日米合意から18年。在沖米海兵隊のグアム移転が、ようやく動き始めた。だが、4千人以上の移転対象のうち今回の第1段階はわずか100人。地元では歓迎の声の一方、先行きの不透明さに懸念の声も出る。

 「2006年5月、『再編の実施のためのロードマップ』にグアム移転が記されて以来の大きな節目を迎える」。中谷元・防衛相は14日、訪問先の沖縄県名護市で記者団にこう強調した。

 当初のロードマップでは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の代替施設建設とともに、在沖米海兵隊員約8千人を14年までにグアムに移すはずだった。だが、米政府監査院(GAO)から計画の見通しの甘さを指摘され、11年に米議会が移転関連経費を予算から削除。再編計画の見直しをせまられた日米両政府は12年、グアム移転と普天間飛行場移設計画を切り離し、グアムに4千人以上、それ以外をハワイなどに移すことで再合意した。

 しかし、その後も移転先のグアムでの労働力不足問題などで施設整備が進まず、具体的な移転の開始が遅れた。移転に伴い訓練場を整備するグアム北東のテニアン島では、環境への影響を懸念する住民の反対運動も起き、防衛省幹部は「テニアン島で具体的に訓練場が開設する見込みは、まだない」と明かす。

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