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ブカレストで2025年5月18日、投票が締め切られた後、メディアに向かって話すダン氏=AP

 東欧のルーマニアで18日、ロシアの干渉疑惑でやり直しになった大統領選の決選投票があった。選挙管理当局によると、中道派でウクライナ支援に賛成する首都ブカレスト市長のニクショル・ダン氏(55)が世論調査での劣勢を覆し、開票率98.12%時点で54.28%を得票。当選を確実にした。

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 4日の第1回投票はウクライナ支援に反対する極右野党ルーマニア人統一同盟(AUR)党首のジョージ・シミオン氏(38)が1位を獲得したが、ダン氏が中道票を取り込んで逆転した。ダン氏は18日、「憎悪ではなく対話に基づく社会を求めるコミュニティーが勝利した」と述べ、分断が広がる国内の融和に努めると宣言した。

 ルーマニアでは昨年11月、大統領選の第1回投票で、ロシア寄りの主張を掲げる極右候補のカリン・ジョルジェスク氏が動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を駆使した選挙活動を展開し、無名候補から首位に浮上。だが、ロシアの選挙への干渉が指摘されるなどし、決選投票を前に憲法裁判所が選挙を無効と判断。異例のやり直しとなった。

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