1998年の全国大会に出場した姫路西高校のギター・マンドリン部。後列の左から2人目が高校2年生だった樫平博子さん=大阪市、樫平さん提供

 埼玉で働いている樫平博子さん(43)は、燃えたぎるような思いで過ごしたあのころのことが、今も自分の心の支えになっていると思う。

 高校で仲間とともに打ち込んだギター・マンドリンの部活動。思い出しても鳥肌がたつような、情熱の日々だった。

 そんな樫平さんが、同じく「ギタマン」を愛した人たちへ向けて書いた手紙のような詞が、全国の中高生に歌い継がれている。

 どんな毎日を過ごしてますか あの日送ったあの音を あなたは今でも覚えてますか

連載 ギタマン♪

その深淵なる世界の特集です。

 樫平さんは、兵庫の姫路西高校に進学してほどなく、「ギタマン」の世界に出会い、どっぷりとハマった。

 ギターの深い響きや、マンドリンのきれいな音色が一つになり、音楽がつくられていく。ギター・マンドリン部には「伝えたいという思いが人一倍、百倍ある人たち」が集まっていた。

 夏に大阪で開かれる全国大会が近づくと、練習に一層熱が入る。入学してからギターを始めた樫平さんも、舞台に立つことになった。

 だが、大会の直前に西日本を…

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