これはアイスの「革命」かもしれない。
患者さんやお年寄りのために、食べるのが楽しみになるおいしい栄養補助食品を――。そんな若い社員のゼロからの挑戦が実を結びつつある。
広島市西区の医療総合商社「ティーエスアルフレッサ」。杉村佳南さん(30)は大卒で入社して以降、病院や高齢者施設を営業で回り、ゼリーやドリンクなどの栄養補助食品を紹介してきた。
「ゼリーは甘すぎる」「味の種類が増えても、毎日はきつい」「アイスが食べたい」……。夏場に食欲が落ちる高齢者からそんな声を聞いた。
国立長寿医療研究センターなどの調査では、在宅療養患者の約8割が「低栄養」や「低栄養の恐れあり」とされ、病院でも低栄養の高齢者が4割近くを占める。
県立広島大で栄養学を学び、管理栄養士と栄養経営士の資格を持つ杉村さん。2年前に思い切って職場のミーティングで提案した。
「アイスで新しい栄養補助食品を提供できないでしょうか?」
最後までおいしそうに食べた祖父
その場で背中を押してくれた…