アイヌ民族の集団に固有の権利(先住権)を認めるよう求める初の訴訟の控訴審が18日、札幌高裁(斎藤清文裁判長)で始まった。北海道浦幌町のアイヌ団体「ラポロアイヌネイション」が国と道を相手取り、地元の川でサケ漁をする権利があることなどの確認を求めている。
昨年4月の一審・札幌判決は、アイヌ民族には固有の文化を享有する権利(文化享有権)があり、サケ漁は最大限尊重されるべきだとする一方、河川は排他的な支配が許されない公共物だと指摘。団体側が主張する漁業権に法的根拠はないとして、請求を退けた。
団体側は、一審判決は歴史的経緯を十分に検討していないと批判。明治政府がアイヌ集団から河川を奪い、川でのサケ漁も禁止したと主張した。歴史や慣習によって成立した先住権は、国際法や憲法でも根拠づけられると訴えた。
団体の差間啓全(ひろまさ)…