ふふふ、全ては私のシナリオ通り――ウソです。“予想”通りです。アニメ監督のりんたろうさんが河出書房新社から出したマンガ「1秒24コマのぼくの人生」が素晴らしかったので昨年12月30日の本欄「漆黒の999 光と影のりんたろう」で取り上げ、期待通り第29回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)マンガ大賞候補作に入り、最終選考委員会で混戦を制し見事マンガ大賞に選ばれました。
- 漆黒の999 光と影のりんたろう
特集紙面のため、さっそくりんたろうさんにインタビュー。今回が4度目の取材となります。
私「例年、受賞者の方に『好きな手塚マンガや手塚アニメは?』などと質問するのですが、手塚アニメを作っていた方が受賞するのは初めてで」
りんたろうさん「手塚さんは偉大なマンガ家ですが、僕にとっては、一緒になって寝ずに『アトム』を作ったスタッフのチーフなんです」
映画「銀河鉄道999」(1979年)、「幻魔大戦」(83年)、「メトロポリス」(2001年)などの監督として知られるりんたろうさんは1941年生まれ。東映動画(現・東映アニメーション)を経て手塚治虫さんの虫プロに入り「鉄腕アトム」(63~66年)でアニメーターから演出に転向します。
「手塚治虫さんを描いたマンガは数多くありますが、『1秒24コマのぼくの人生』に登場する手塚像も印象的ですね?」
「僕の自慢は、寝間着姿でアパートにやって来た手塚さんに自転車に乗せられ、夜中にスタジオへ連れて行かれたこと。あんなこと他の誰も経験してないから、マンガに描きました」
「手塚治虫さんがたっぷり出…