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アナログレコードの販売フロアが約2倍になったタワーレコード渋谷店=タワーレコード提供
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 サブスクリプション(定額制)のデジタル配信で手軽に好きな音楽を楽しめる時代に、アナログレコードが「新しい」と若者を中心に人気だ。低迷していた生産額は2023年、約30年前の規模に戻った。

 音楽ソフト販売などを手がける「タワーレコード」の渋谷店(東京)は、2月末にリニューアルオープンした。目を引くのはアナログレコードの販売フロアの拡張で、面積はこれまでの約2倍。以前は約7万枚だった在庫を10万枚以上に増やせた。売り上げは10年前と比べて約25倍という。

 国内全体のレコード生産額は、平成が始まった頃に近づく。日本レコード協会によると、CDの台頭やその後のデジタル配信の普及で、国内でのアナログレコードの生産額は1812億円(1980年)をピークに減少。2010年には1.7億円に落ち込んだ。

 ただ、その後は増加傾向に転じた。23年は62.7億円で、前年比45%増を記録。平成が始まった1989年(71.4億円)に迫る勢いだ。2023年、新たに発売されたレコードは871タイトル。14年は91タイトルで、9倍以上に増えている。

 タワーレコードによると、アナログレコードのフロアに目立つのは、元々レコードになじみのある50、60代。外国人観光客の姿もある。それに加え、急激に増えているのが若者たちだ。レコードが音楽メディアの主流だったのは80年代ころまで。生まれた時点で、すでにマイナーな存在だったレコードは、若者にとってはむしろ斬新に映るのだろうと、同社担当者はみる。

「手間」「わずかな間」にわくわく実感、音の温かみも

 昭和レトロの文化やファッションについて、現代の感覚を生かしながらSNSで発信するアーティストの阪田マリンさん(23)は、中学2年の時、祖母宅で「Song for U.S.A.」(チェッカーズ)のレコードを見つけた。

 ジャケットから取り出し、タ…

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