農薬や化学肥料を使わず、根ごと抜いた雑草を米ぬかで発酵させた自家製肥料で野菜を栽培している農園がある。青年海外協力隊員としてアフリカで活動した夫妻が徳島県小松島市で営む「つながり農園」だ。旬の作物は不ぞろいでも味は凝縮されて濃く、安心できると評価を高めている。
農園は、岡山県出身の辻登志江さん(50)が2014年3月に始めた。桃農家の祖父母にあこがれて育ち、いつかは農業をしたいと思い続けてきた。「やりたいことを突き詰めたい」と、結婚を機に夫の誉(たかし)さん(53)の故郷に移り住んで夢をかなえた。
登志江さんは農園を始めるまで、作業療法士として病院に勤め、30歳から2年間、チュニジアで協力隊員として活動した。誉さんも大手自動車会社の整備士を退職し、30歳から2年間、マラウイで隊員となった。今は県内の森林組合に勤めながら、整備士の経験と林業の技術を生かし、夫婦二人三脚で農園の経営に励む。
上は中学1年、下は小学2年の食欲旺盛な男女4人の子どもたちも農園を手伝う。家族は「自分たちで食べたいものを作る」との思いでまとまっている。
登志江さんが農業を始めたの…