財務省が18日発表した5月の貿易統計(速報)で、米国への自動車輸出額が前年同月と比べて24・7%減少した。減少は2カ月連続で、トランプ関税の影響が顕在化してきている。対米全体の輸出額も2カ月連続で減少した。
5月の対米の自動車輸出額は3633億円。1台あたりの輸出単価が21%超減少したことが大きく、減少の規模は円高の影響を上回る。自動車メーカーが関税の影響を抑えるため、単価の低い自動車の輸出を増やし、取引価格の値下げがおこなわれている可能性があるという。
財務省関税課は、貿易は世界の経済情勢など様々な要因を反映するため、関税の影響のみを分析することは難しいとしつつ、「個々の取引で輸出控えが起きるなど、関税の影響が生じている可能性はある」と説明した。
輸出台数は3・9%減り、5カ月ぶりに減少に転じた。
トランプ大統領は4月から自動車に25%、5月から自動車部品にも25%の追加関税をかけている。自動車部品の5月の輸出額も19%減少した。
全品目の対米輸出額は、2カ月連続の減少となる11・1%減の1兆5140億円。輸入額は1兆623億円で、4517億円の貿易黒字だった。