レバノンの首都ベイルート南郊で2024年11月1日、イスラエル軍の攻撃で破壊された建物の周辺に立つ人々=ロイター

 レバノン南部を拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラの掃討を掲げるイスラエル軍が、レバノンへの地上侵攻を開始してから1日で1カ月となった。昨年10月にパレスチナ自治区ガザで勃発した戦闘は中東の近隣国を巻き込む地域紛争へと発展し、犠牲者の拡大に歯止めがかからない状況だ。

 ヒズボラはパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスと連帯している。レバノン保健省によると、イスラエルとヒズボラの衝突が始まった昨年10月以降、今年10月30日時点で2867人が死亡。大多数がイスラエルが空爆を強化した9月後半以降という。

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 激しい攻撃で人々は家を追われ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、レバノンの人口約530万人の2割超の約120万人が難民・避難民となった。

 イスラエルとヒズボラは米国などの仲介のもと、停戦協議を進めている。イスラエルのネタニヤフ首相は31日、エルサレムで米国家安全保障会議(NSC)のマクガーク中東・北アフリカ調整官らと会談。イスラエルメディアは「建設的な議論が行われた」と報じた。

 だが、協議の最中も激しい攻…

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