カナダ西部カナナスキスで2025年6月16日、カーニー首相(左)の歓迎を受けるトランプ米大統領=AP

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは16日、イスラエルからの攻撃で大きな打撃を受けているイランが、アラブの仲介国を通じ、敵対行為の終結を望んで米国とイスラエルとの交渉を求めていると報じた。トランプ米大統領は仲介国からの接触があったことを認めた上で「すぐに話し合うべきだ」と主張した。

 同紙は、米国が攻撃に参加しないことを条件に、イランは交渉の席に戻る用意があると伝えた、という中東や欧州の当局者の話を報じた。イランはイスラエルに対し、暴力の抑制は双方の利益になる、とも伝えたという。ただ、イスラエル側はイランからの反撃を受けても大きな被害は被っておらず、自国の戦闘機をテヘラン上空に自由に飛ばせる優位な状態だ。イランの核開発計画の完全な破壊を目標とするイスラエルが、いま軍事行動をやめて交渉に応じる動機はほとんどないとみられている、と同紙は指摘する。

 トランプ氏は従来、イスラエルに自制を促してきたが、黙認する姿勢に転じた。イスラエルの攻撃がイランへの圧力となり、核開発を止めるための交渉で妥協を促すことになると期待している。トランプ氏は16日、カナダ西部カナナスキスで開幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)で議長国のカーニー首相と会談した際、記者団に「彼ら(イラン)は話し合いたいと言っているが、もっと前にすべきだった。私は60日間の猶予を与えていた」と主張した。

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