「世界最大」の総選挙が実施されているインドで、北部を中心に熱波が到来している。地元メディアによると、首都ニューデリーの一部地域では29日に最高気温が52.3度になり、過去最高を記録。総選挙でも前回より投票率が下がっており、酷暑の影響も一因と指摘されている。
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現地の気象当局は23日、首都ニューデリーやその近郊の地域に、最も深刻な「レッドアラート」という警報を発令。少なくとも月末まで酷暑が続くとして、長時間、外にいるのを控えるよう求めていた。
ニューデリーを管轄する地元政府は、児童らが外に出る機会を減らすことを狙い、学校の夏休み開始時期を早めるよう指示した。
25日には首都などで総選挙の投票が実施され、熱中症対策などで与野党ともに屋外での集会を避けたり、集会場所に冷風機を設置したりするなどの措置を取った。
首都の選挙管理委員会も、投票所に冷風機や飲料水などのほか、医療関係者を配置した。
他の地域も含めて総選挙の投票率は、前回2019年よりも低くなっているところが多く、酷暑も一因と報じられている。総選挙は4月19日~6月1日に7回に分けて地域ごとに投票が実施され、4日に一斉に開票される。
インドでは近年、熱波が早い時期に到来し、長期にわたって酷暑が続く傾向にある。22年3月には、平均最高気温が過去122年で最高を記録。最高気温が50度に達する地域もあり、酷暑による死者も出ている。逆に、豪雨がより長く続く地域も出るなど、異常気象の影響を受けている。(ニューデリー=石原孝)