インド国防省は8日夜、北部にある軍事基地などに対してパキスタン側から多数のミサイルやドローンによる攻撃があったと発表した。いずれも撃墜し、負傷者は確認されていないという。両国の間では4月下旬に起きたテロ事件の後、軍事的な応酬が続いており、収束の兆しは見えていない。
- 【そもそも解説】インドとパキスタンの対立なぜ続く? 両国の主張は
攻撃はパキスタンとの国境にほど近いジャムやパタンコート、ウダムプルで発生。域内の空港が標的にされたとの報道もある。現地からの映像では、サイレンが鳴り響くなか、上空の暗闇に閃光(せんこう)が走り、消えていく様子が確認できる。
インド軍は、7日夜から8日未明ごろにもパキスタン側から攻撃があったと説明していた。
4月22日にインド人観光客ら26人が武装勢力に殺害されたテロ事件を巡り、インド側は「パキスタンの関与があった」と主張。7日未明にパキスタン領内の「テロ拠点」の空爆に踏み切った。
両国の発表では、空爆や停戦ライン周辺の衝突によって8日時点でインドが16人、パキスタンは31人が死亡したとしている。
一方、ロイター通信は9日までに、米政府高官の話として、パキスタン軍が使用する中国製の戦闘機「殲10」が7日にインド側の戦闘機2機を撃墜したと報じた。うち1機は仏製のラファール戦闘機だったという。
パキスタンは近年、中国から多額の支援や兵器の調達を推進。両国と国境対立を抱えるインドが警戒を強めていた。