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2025年4月8日、米ニューヨークの国連本部で開かれた国連安全保障理事会の会合で発言するウクライナのハヨビシン国連臨時代理大使=国連ウェブTVから

 国連安全保障理事会は8日、ウクライナに関する会合を開いた。同国中部のクリビーリフ市などへの攻撃が続き、同市で子ども9人が死亡するなど、民間人の犠牲が相次いでいることに懸念の声が相次いだ。

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 英国のウッドワード国連大使は「想像を超える恐怖だ。(ロシアの)国連憲章と常任理事国としての責務に反した攻撃を非難する」と語った。「停戦案はテーブルの上にあるが、ボールはもう数週間もロシア側にある。殺害を止める時だ」と述べた。

 一方、前政権から姿勢を転換し、ロシアとウクライナに停戦を提案している米国は、シェイ国連臨時代理大使が哀悼の意を示した上で「双方に自制と、平和への取り組みが本物だと示すことを求める」などと述べた。今回のような攻撃について「和平努力やそのための議論を害する恐れがあると心にとめるようロシアに求める」とも付け加えた。

ロシアは「ウクライナの迎撃」と主張

 ロシアのネベンジャ国連大使は、クリビーリフ市での民間人被害は「迎撃のために発射されたウクライナのミサイルによるもの」などと主張した。同国がロシアのエネルギー施設への攻撃を続けているなどとも訴えた。

 ウクライナのハヨビシン国連臨時代理大使は、同市で死亡した子ども9人の名前と年齢を読み上げた上で「ロシアは米国が主導する国際的な平和努力を完全に無視している」と批判した。

 クリビーリフ市では4日のミサイル攻撃で18人が犠牲になった。国連人権高等弁務官事務所によると、2022年2月の侵攻開始以来、1度で最も多くの子どもが死亡した攻撃になった。

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