10日に開かれた米大統領選の討論会では、民主党のハリス副大統領(59)と共和党のトランプ前大統領(78)が、ウクライナやパレスチナ自治区ガザでの戦闘をめぐっても初めて論戦を繰り広げた。ただ、相手候補への批判が続き、世界で起きる危機に米国がどう対応するかの議論は深まらなかった。
ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、トランプ氏は司会者から「ウクライナの勝利を望むか」と問われたが、正面から答えなかった。「戦争を終わらせ、合意に達することが最も米国の国益にかなう」と、早期の停戦の必要性を強調した。
トランプ氏は、自身が大統領であれば侵攻が「起こっていなかった」との持論も改めて展開し、当選した場合には「大統領に就任する前にだって解決してみせる」と述べた。バイデン政権の対応について「弱く、無能だ」とも批判した。
これに対しハリス氏は、トランプ氏がウクライナ侵攻を「24時間以内に終わらせる」と語ってきたことをめぐり、ウクライナを「あきらめるからだろう」と非難。バイデン政権の軍事支援によってウクライナが戦い続けられているとして、支援の意義を強調した。トランプ氏が大統領であったなら、今頃ウクライナの首都キーウはロシアに支配されているだろう、とも述べた。
パレスチナ自治区ガザでの戦…