米ワシントンで9日、北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が始まります。昨年の首脳会議では、ウクライナのNATO加盟の時期が明確にされず、ゼレンスキー大統領が「ばかげている」と不満を表明する一幕もありました。今年はどうなるのか、アメリカン大学で教える米欧関係の専門家、ギャレット・マーティン氏に聞きました。
- 「ウクライナは明日の東アジア」 発言引く米の思惑は NATO会議
――どんな議論を期待しますか。
焦点が二つあります。一つは、ウクライナの(将来的な)NATO加盟について全会一致が得られる文言を見いだすこと。どこまで断定的に表現すべきかについては意見が分かれていますが、(首脳宣言で)加盟時期をあいまいにした昨年よりはいくらか明確になるでしょう。
二つ目は、長期的な支援をより明確にすることです。これは、直接そう表現しなくても実質的には、トランプ前米大統領が当選した場合に備えた「トランプ対策」と言えます。毎年確固とした支援を継続し、年間400億ユーロの支出を目指すものです。
――昨年の首脳宣言は「加盟国が同意し条件が整えば」加盟に向けて招待する、という表現でした。いま、主要な加盟国の姿勢はどうなっていますか。
加盟は「不可逆的」の文言に米国は難色か
(ウクライナが将来加盟する…