真夏日を記録し、強い日差しが照りつけた巣鴨地蔵通商店街=2024年6月24日午後1時42分、東京都豊島区、大山稜撮影
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 全国的に厳しい暑さが続き、熱中症に気をつけなければならない季節がやってきた。医師は「エアコンが最大の予防策」と言うが、高齢者を中心に年齢が上がるに連れ、利用控えの傾向を示すデータもある。なぜなのか。

 栃木県佐野市で36.8度を観測するなど全国14地点で35度以上の猛暑日を記録し、東京でも練馬区などで35度に迫った24日の昼過ぎ。東京・巣鴨は、日傘を差す多くのお年寄りでにぎわっていた。

「暑くなった感覚ない」

 東京都北区の女性(81)は「狭い部屋で冷風に当たりすぎると調子が悪くなる」と、夏の間もエアコンをほとんど使わず、扇風機でしのぐ。こまめに水分を取るようにしているが、自宅を訪れた50代の長女には「さすがに暑すぎ」と、指摘されたという。

 エアコンの使用を「例年7月に入ってから9月初めまで」と決めているのは豊島区の男性(95)。使っても日中の4~5時間ほどで、「(夜間は)付けっぱなしは体に悪いし、電気代もかかる。経費節約と思ってつけない」のだという。

 汗だくで商店街を歩いていた練馬区の男性(75)は、5年前にリモコンを無くして以降エアコンを使っていない。「昔と比べて特段暑くなった感覚もないし、暑い日は窓を開けるだけで十分」と話す。

 総務省消防庁によると、2023年5~9月に全国で熱中症の疑いにより救急搬送された人は計9万1467人で、調査を始めた08年以降、2番目に多かった。年齢別では、高齢者(65歳以上)が5万173人(54.9%)と半数を超え、体調を崩した場所は住居が3万6541人(39.9%)と最も多い。

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 また、東京都監察医務院によ…

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