現場となったエレベーターのあるビル=2025年2月27日午前8時35分、神戸市中央区、原野百々恵撮影

 神戸市中央区にある商業ビル(地上8階地下1階建て)で2月27日にエレベーターの「かご」の真下部分で倒れ、その後死亡した男性の体に、転落で生じたとみられる骨折が確認されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。

 ビルの4階ではエレベーターのかごがない状態でドアが開いたままになっていたといい、兵庫県警は4階から男性が転落したとの見方を強め、業務上過失致死の疑いで原因を調べている。

 生田署によると、死亡したのは芦屋市に住む整形外科医の男性(31)。

 捜査関係者によると、男性は27日未明に仕事関係の数人と一緒に、ビルの2階から8階に入るカラオケ店を訪れ、4階の部屋を利用。荷物を置いて部屋を出た後、行方がわからなくなっていたという。

 この日の午前2時50分ごろ、カラオケ店から「4階で、エレベーターのかごのない状態でドアが開いたままになっている」とエレベーターの設備会社に連絡があった。

 到着した設備会社の担当者が、エレベーターの上下する空間の地下1階部分に男性が倒れているのを見つけた。男性は病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。

 死因はわかっていないが、体には骨折があり、転落によって生じたとみられるという。

設備会社「直近の検査では異常なし」

 エレベーターの設備会社の広報担当者は28日、朝日新聞の取材に対し、同ビルのエレベーターは3カ月に一度、訪問点検をしていたとし、直近の昨年12月の点検でも「特段、異常などは報告されていない」と答えた。

 管理しているエレベーターで過去に類似の事故があったかどうかについては「ほぼないと認識している」という。

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