八回。1点差に迫り、なお2死満塁のチャンス。3ボール、1ストライクとなったところで、打席に立つオリックスの広岡は腹をくくった。

 「一番いい球が、絶対に勝負球がくると思った」。狙いを直球一本に絞った。

 5球目。159キロの直球が真ん中低めにきた。「フォークなら仕方がないくらいの気持ちだった」。迷いはない。完璧に捉えた打球は左翼2階席に届いた。プロ10年目で初めてとなる満塁本塁打に「アドレナリンが出過ぎてちょっと記憶が飛んでます」。試合をひっくり返し、ベンチで手荒い祝福を受けた。

 ヤクルト、巨人を経て2023年5月にトレードでオリックス入り。セ・リーグとの違いに戸惑った。「(パ・リーグの投手は)パワーピッチャーというか、真っすぐが速く、変化球も強いと感じた」

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