取材考記 日比野容子
京都・錦市場で、老舗の閉店が相次ぐ。400年以上続く「京の台所」は、いまや、食のテーマパーク。だしまきまでが天ぷらとなって串に刺され、遠来の客の胃袋に収まる。にぎわいの陰で、京の人々の「錦離れ」が静かに進む。
日本人の「京都離れ」も顕著だ。京都市観光協会によると、2014年に主要ホテル宿泊客の3割だった外国人比率は昨年4月、初の70%台に。観光の主役が交代し、ごみ、騒音、乗れない市バスなど弊害が増えた。
オーバーツーリズムへの京都市の対応方針は、分散化だ。「混雑を避けて穴場へどうぞ」「早朝観光はいかが」といった具合だ。
しかし、分散化が根本解決に…