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客でにぎわう東京・原宿のカプセルトイ専門店=2025年1月21日、東京都渋谷区、野田枝里子撮影

 お金を入れてレバーを回すと、カプセルに入ったおもちゃが出てくる――。子どもだけではなく、大人もハマるカプセルトイが、日本に「上陸」して今年で60年。時代とともに進化を続け、いまでは訪日外国人をも夢中にさせている。

専門店が集う原宿で目立つ外国人客 ガチャ活も

 東京・原宿にある「カプセルラボ 原宿竹下通り店」。平日朝にもかかわらず、2フロアに約1700台のカプセルトイマシンが並ぶ専門店はにぎわっていた。目立つのは外国人客の姿だ。

 「韓国にも専門店はあるけど、日本の方がたくさん種類がある。安くて、かわいい」

 韓国から訪れたチョ・ヒョンジンさん(25)は、カプセルトイ目当てで原宿へ。お目当ては「ちいかわ」や「ハローキティ」。お気に入りを見つけては、レバーを回した。

 ブラジルから来日したマリッサ・ラソさん(9)は「かわいいのがたくさんある」。カプセルトイを収集し、ディスプレーしたり写真をSNSにアップしたりする「ガチャ活」を楽しむ外国人も少なくない。

相次ぐ参入と出店 1千円以上の商品も

 店を運営するカプコンの店舗担当者によると、もともとのターゲット層は家族連れだったが、ここ数年はインバウンド需要が高まった。「日本のお土産」として人気を呼び、現在は客の半数が海外からだという。特に原宿は専門店の出店が相次ぐ「激戦区」だ。

 価格は300円~500円が一般的で、なかには1千円以上のものも。担当者は「以前は商業施設や駅の遊休地を埋めるコンテンツでしかなかったが、2000年以降は専門店が増えた。多くのアイテムの中から好みの一品を探す楽しさを味わえる空間が好評を博している」と分析する。

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専門店「カプセル楽局」は薬局のような外観で、住宅街を中心に出店している=東京都世田谷区、ゲオホールディングス提供

 DVDレンタルなどを手がける「ゲオホールディングス」も22年から、専門店「カプセル楽局」を展開。薬局のような白を基調とした店内にマシンがずらりと並び、スタッフは白衣を着用する。都内の住宅街を中心に出店しており、担当者は「身近なところで気軽に立ち寄ってほしい」。100店舗を目標に、出店を年々増やしている。

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