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大阪地裁=2020年10月15日、大阪市北区、米田優人撮影

 仏教系の進学校として知られる私立清風高校(大阪市天王寺区)の男子生徒(当時17)が試験でカンニング後に自殺したのは、教師の不適切な指導が原因だとして、両親が8日、運営法人「清風学園」に計約1億円の賠償を求めて大阪地裁に提訴した。

 訴状によると、男子生徒は2年生だった2021年12月、期末試験でカンニングをして試験監督に見つかった。別室で事情を聴かれた際、教師からカンニングはひきょう者がやることだと叱責(しっせき)された上、「全科目0点」「自宅謹慎8日」「写経80巻」「反省文作成」などの処分を受けた。生徒は2日後、自宅近くで死亡しているのが見つかった。

 訴状で両親側は、同校が日頃からカンニングはひきょう者の行為と生徒に指導していたとして、「今後の学校生活で周囲からひきょう者と思われる恐怖心を感じたことがきっかけ」と指摘。さらに「大量の課題で冷静な判断能力を失わせて自死させた」として、学校側の安全配慮義務違反を主張している。

 生徒の自死後に学校側が設置した第三者委員会は、学校側の指導と自殺との因果関係を否定したが、両親側は生徒にアンケートを行っていないなど第三者委の調査は信頼できないと訴えている。

 学校側は「訴状が届いていないので、現時点ではコメントできない」としている。(山本逸生)

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