世界3大映画祭の一つ、第78回カンヌ国際映画祭が13日夜(日本時間14日未明)、フランス南部のカンヌで開幕した。最高賞パルムドールを争う長編コンペティション部門22作品の中に、早川千絵監督の「ルノワール」が選ばれている。各賞は24日夜(同25日未明)に発表される。
「遠い山なみの光」「国宝」…日本作品も多数参加
世界最高峰のカンヌ映画祭が幕を開けた。今年のコンペティション部門には、若手の作品が多く集まった。日本作品も例年以上に多数の作品が参加している。
コンペ22作品のうち、30~40代の監督が手がけたのは10作品を占める。たとえば2020年の「ミッドサマー」で注目を集めたアリ・アスター、「太陽と桃の歌」で22年にベルリン国際映画祭の金熊賞を獲得したカルラ・シモン、中国のビー・ガンらはいずれも30代。今年のカンヌは、近年台頭してきた若手を積極的に選んだようだ。
「重鎮枠」としては、ジャンピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が参加。1999年に「ロゼッタ」、05年に「ある子供」でパルムドールを受賞している。3度受賞した監督はこれまでにおらず、新記録に期待がかかる。
早川監督は長編2作目にしてコンペに選ばれた。パルムドールをとれば、日本女性監督が世界3大映画祭で初めて最高賞をとることになる。
審査員長は俳優のジュリエット・ビノシュ。24日に各賞が発表される。
「ルノワール」以外にも、多くの日本作品が様々な部門で選ばれている。
革新的な映画を集めた「ある視点」部門には、カズオ・イシグロの小説を原作とする石川慶監督の「遠い山なみの光」。並行して開かれる独立部門の「監督週間」には、李相日監督による「国宝」と団塚唯我監督の「見はらし世代」。カンヌプレミア部門に深田晃司監督の「恋愛裁判」、ミッドナイトスクリーニング部門に川村元気監督の「8番出口」。
広瀬すずや吉沢亮、斉藤京子など、国内で人気の俳優の出演作がそろった。日本にとっても華やかな映画祭となりそうだ。