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2025年8月19日、イスラエルとパレスチナ自治区ガザとの境界近くに並ぶイスラエル軍の軍用車両=AFP時事

 パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスが、仲介国が提示した停戦案の受け入れを表明したことに対し、イスラエル政府側から人質の段階的な解放を軸とする停戦案には消極的で、全員解放を求める声が伝えられている。ただ、ネタニヤフ首相は公式な反応を示しておらず、エジプトやカタールによる仲介努力が続いている。

 ハマスが同意した停戦案の詳細は発表されていないが、AP通信などによると、60日間の戦闘停止の間に存命のイスラエルの人質の半数とイスラエルが拘束しているパレスチナ人を交換し、同時に恒久停戦への交渉を始めることなどが主な内容になっている。AFP通信によると、仲介国カタールの外務省報道官は19日、「5月にイスラエルが受け入れた停戦案とほぼ同じ内容だ」と語り、合意への期待を示した。

 しかし、イスラエル政府報道官は19日、英BBCに「人質全員の解放を求めている。部分的なディール(取引)に関心はない。状況は変わった。首相はガザの将来についての計画を決めている」と述べた。ガザ全域の支配を視野に、最大都市ガザ市制圧の準備を進めていることを指しているとみられる。AFPも20日、イスラエル政府高官の話として、政府の「人質全員の解放」という原則は変わっていないと報じた。

 ネタニヤフ首相は見解を示し…

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