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山形大の兼子良久教授
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 ホテルの早割を利用したことのある人は多いと思います。安く泊まれる反面、予約完了時点で100%のキャンセル料が発生する場合があります。こうした手法から見える事業者の狙いはなんなのか。キャンセル料の法的なルールが明確でないなかで、どのような問題が起きているのか。マーケティングに詳しい山形大学の兼子良久教授に聞きました。

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 高額なキャンセル料をとろうとする悪質な事業者から消費者を守るために、消費者契約法には一定のルールがあります。キャンセル料は、そのキャンセルのために発生した損害額を上限として、それ以上の額は無効、というものです。

 しかし、消費者契約法が成立した2000年当時にはあまり想定していなかったキャンセル料の設定の仕方が、登場してきました。

 安く購入できる代わりにキャンセル料をとるという新たな料金プランです。いろいろな業界で採用されるようになってきました。

 代表的なのが航空券や宿泊料です。早割プランは、数カ月前に予約すれば安いが、その代わりにキャンセル料として100%とるというものです。ほかにも通信契約や動画配信のサブスクでも、年単位での契約期間を定めて、途中で解約する場合はキャンセル料をとる、というプランもあります。安さを重視する消費者がターゲットになります。

 00年以降、インターネットが発展して、消費者のニーズも多様化しました。企業は、ニーズの異なる客が選べるように、例えば、性能に優劣をつけて、それに合わせた料金プランを設定するようになりました。その料金プランの中に、「キャンセル料」を要素として盛り込む方法が出てきました。

 企業としては、キャンセル料を盛り込み、安い料金プランを提供することで、極力キャンセルを防ぎ、早い段階で売り上げを見込むことができます。安さを重視する人や解約をしない、将来の都合があまり変わらないという人を早めに囲い込めるのです。もちろん悪質な解約やドタキャンに対応するという目的もあるとは思いますが、一番の目的は、売り上げの予測をしやすくすることだと思います。

 消費者にとっては、安さを得られるというメリットがある一方で、ギャンブル性が高くなるというデメリットもあります。消費者の納得性を高めるには、キャンセル料の説明を分かりやすく示すことが大事です。

 企業にとっては、キャンセル…

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